2011 Fiscal Year Annual Research Report
最適情報量経路を用いたホバー機の障害物回避に関する研究
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21560816
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
上野 誠也 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (60203460)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 最適制御 / ヘリコプター / 衝突回避 / 制御工学 |
Research Abstract |
本研究の研究目的は、(1)最適情報量経路が衝突回避に有効性の証明、(2)機上で処理が可能な実時間最適計算手法の開発、(3)最適情報量フィードバック制御則の有効性の飛行実験による実証である。最終年度に(3)を実施する計画に向けて、年度当初に立てた研究計画に従い、大きな遅れも無く下記の課題の研究を進めた。 (1)最適情報量経路が衝突回避に有効性の証明:前年度までに得られた成果に情報量フィードバックによって得られる軌道と最適解と比較を追加してまとめ、学会にて発表した。情報量フィードバックで得られる軌道は、単に視覚情報の増大のみを考慮した軌道より入力の消費を考慮した最適軌道に類似であることが示された。 (2)実時間最適計算手法の高速化:搭載計算機で最適経路を計算するには、有限時間で解を得る必要がある。ところが、最適制御問題の解法の多くは線形近似をベースに開発された計算手法であり、最適性の条件を満たすまで繰返し計算を行っており、計算時間の推定が困難である。そこで、本研究では線形近似を用いない手法であるホモトピー法を適用し、計算時間の確定と短縮に試みた。本手法は本研究への応用のみならず、他の軌道最適化にも応用できる。本研究以外にも、滑空機の着陸進入経路の生成や月探査機の着陸軌道の生成に応用した例を学会等で発表し、解法の安定性を示した。 (3)飛行実験の実施:飛行実験に使用する飛行体は複数のダクテッドファンを搭:載し、ホバリング可能な機体である。設計を昨年度から開始しており、本年度は製作を行った。地面効果を有効に使用することで、消費エネルギを抑える飛行体を開発していた。飛行実証を行う時は、地面から離れた上空にて三次元軌道生成が可能な場合と地面付近を飛行中における地面の制約を受ける軌道の生成を実証する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度の平成24年度に飛行実証を行うために、搭載ソフトウエアの開発と飛行体の製作が順調に進められた。搭載する制御則の評価関数も決まり、特に大きな遅れもなく、研究を計画通りに進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の準備状況から、最終年度に飛行実証は可能であると判断している。今まで机上の計算機で設計してきた制御則をオンボードコンピュータに転載する作業が残っている。しかし、地上走行車両を用いた実験などの過去の研究実績から、この作業も問題ないと判断している。
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Research Products
(2 results)