2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560818
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 哲彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10358682)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 忠繁 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40273271)
|
Keywords | 数値シミュレーション / 複合材の不確定性 / フラッタ限界値 / ヒルベルト変換 |
Research Abstract |
構造設計においては材料そのものの不確定性と、その構造に起因する不確定性を評価することが必要である。構造特性は静的な強度や空力弾性現象に対する特性が評価の対象となる。複合材構造は、軽量構造としての大きな利点が期待され、今後さらなる実機への適用の拡大が見込まれるが、金属構造に比べて材料そのものに、より不確定性を含むことが考えられる。したがって、その設計においては不確定性の影響を受けにくい構造形態が望まれる。そのためには、不確定性の評価が不可欠である。 不確定性を考慮した強度評価法を、実用機の新製法である樹脂含浸複合材製造法Vacuum Assisted Resin Transfer Molding(VaRTM)で製造された試験片に適用し、この試験片に対して材料特性を踏まえた構造不確定性の評価を数値シミュレーションにより理論的に評価することを試みた。吸水、乾燥繰返しによる強度劣化について、樹脂の劣化がみられはじめるまでの実験データに基づき不確定性の解析的扱いを検討した。複合材としての強度劣化の不確定性に変化はみられなかったが、さらなる繰返しによる実験データを取得しその特性をあきらかにした。また、金属との接触電位による腐食が強度劣化に繋がり金属結合部品を使うことが出来ないことについての解消策を探るためのデータも取得した。 また、空力弾性解析について新たなフラッタ現象の推定法を提案し、これまでに得られている風洞実験データおよび解析シミュレーションデータについてその推定精度を検討し、新たに提案した経験的モード分解法は比較的不確定性が少ないことを明らかにした。
|