2009 Fiscal Year Annual Research Report
大型膜面展開構造物の数値解析法とダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
21560826
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
奥泉 信克 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 助教 (10321564)
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Keywords | 膜面構造物 / 数値シミュレーション / 真空実験 / 遠心力展開 / 折り目 / 座屈 / 回転円形膜 / 振動モード |
Research Abstract |
・多粒子系モデルの改良 これまで,折り畳まれた膜面の遠心力展開実験に対して,多粒子系モデルにより精度の高いシミュレーション結果が得られていなかった.そのため,多粒子系モデルに対して膜面の特性や空気抵抗の詳細なモデル化を導入し,シミュレーション結果が大幅に改善されることを確認した.解析対象は,厚みを考慮した折り目曲線によって,しわを生じることなくなく膜面を折り畳むことのできる,らせん折りを用いた六角形膜面の遠心力展開実験とした.シンプルな膜面の折り目剛性のモデルを新規に考案し,膜面の座屈特性モデルを実験に合わせてチューニングするとともに,空気抵抗と減衰を考慮することによって,シミュレーション結果が大幅に改善されることを確認した. ・回転円形膜の定常状態の多点同時計測実験 既存の内径660mm,内圧約1/100気圧のアクリル真空槽内における,円形膜面の回転実験では,重力による面外変形や残留空気の影響による面外振動を生じる.その振動モードを解析結果と比較するため,レーザー変位計による面外変位の同時多点計測を行った.従来は回転する膜面を空間に固定されたレーザー変位計1台で計測していたため,ドップラーシフトを生じた見かけの振動数しか得られなかったため,レーザー変位計を3台追加して4点同時計測を行った.その結果,周方向90度おきに同位相で振動しており,周方向2次,半径方向1次の面外振動が生じていることを確認でき,これまでの数値解析結果の妥当性を明確化した.
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