2011 Fiscal Year Annual Research Report
GPUコンピューティングを用いた船舶のアドバンスト制御に関する研究
Project/Area Number |
21560829
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
水野 直樹 名古屋工業大学, 教授 (30135404)
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Keywords | 船舶工学 / 制御工学 / ハイパフォーマンスコンピューティング / アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究では,これまでに行ってきた研究を基に,最短時間着桟操船制御をGPUコンピューティングを用いて実現するための計算モデュールを作成し,実時間で最適化計算を行うブロックや,非線形フィードバック構造を持ったニューラルネットワークを併用することを前提に,船体の非線形運動モデルを用いた並列シミュレーションベースト予測制御系のグラフィックハードウェアによる実現法(GPGPU)の実現を目指している. 具体的には,研究を 「最短時間着桟操船制御解の導出をGPUコンピューティングに基づいて実施する計算モデュールの作成」「船体の非線形運動モデルを用いた並列シミュシーションベーストコントロールシステムのグラフィックハードウェアによる実現」, 「グラフィックハードウェアによる並列計算の併用による制御系の高性能化」の3つの目標を設定して行う. 本年度は,昨年度までの手法をベースにより高精度な制御を可能とする実用的アルゴリズムを開発した.その評価は実験を主として行い,実用システムとしての性能評価を行った. 具体的には, a)モデル予測制御のアルゴリズムをGPUの使用を前提として入力の多段予測を行う手法に拡張し,並列化アルゴリズムで実現した.提案した複数のアルゴリズムを実験によってその性能評価を行った. b)a)で開発したモデル予測制御の性能は,制御に用いる船舶の非線形運動モデルに依存することから,異なる評価関数のもとで最適化したモデルを用いた実験を行い,モデルの有効性の比較を実験時の制御性能で行った.その結果,提案アルゴリズムの性能がモデルに大きくは依存しないことを確認した. c)a),b)の成果を踏まえた実用的実時間制御アルゴリズムを開発し,実船実験で有効性を確認できた. 上記より,本研究で提案したGPUを制御用ハードウェアに用いることで,従来,実現困難であった非線形予測制御手法を実用手法として船舶の操船制御に適用できることが明らかとなった.
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[Remarks] 年度内に学会発表等を行うことはできなかったが,本研究費による研究成果を現在,以下の学会に投稿している.
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[Remarks] 1.計測自動制御学会第29回誘導制御シンポジウム(平成23年5月開催,発表決定)
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[Remarks] 2.IEEE Multi-Conference on Systems and Control, October 3-5, 2012(審査中)
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[Remarks] 3.9th IFAC Conference on Manoeuvring and Control of Marine Craft, September 19-21, 2012(審査中)