2010 Fiscal Year Annual Research Report
こわさない技術としての舶用機関におけるボルト・ナットの締結管理に関する研究
Project/Area Number |
21560831
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井川 博雅 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (20184377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 隆一 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (20093544)
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Keywords | 機関損傷 / 保守点検整備 / 締結管理 / アンケート調査 / 潤滑油 / ボルト締結法 |
Research Abstract |
機関部乗組員による主機関の保守点検整備におけるボルトの締結管理について,前年度に引き続きアンケート調査の対象を広げ,最終的に12社・85名の機関部乗組員からの回答を得ることができた。アンケートの内容は,ボルト締結時に使用する潤滑剤に関する項目と船内機関室における作業性に関する項目に大別される。前年度の先行調査と比較すると,一部を除いてはほぼ同様の傾向を示した。潤滑剤に関しては,重要部品であるクランクピンボルトに関してはモリブデン系の潤滑剤の使用が多くなった。機関室の作業性に関しては,トルク締めにおいて合マークがずれた場合の対処法について多くの意見が示され,合マークを信用するものとトルクレンチを信用するものに大別された。アンケートに基づき,船舶で使用頻度の多いモリブデン系潤滑剤について実証実験を行って比較した結果,銘柄により軸力にばらつきがあることが判った。また,意見が分かれた同じ設定トルクで締め付けた場合の合マークのずれについて,各種作業条件を想定して実証実験を行った。作業条件によりボルトへのトルクのかかり方が変化する可能性があるので,締結作業中のトルクの時間変化を計測・解析できるように歪みゲージを用いてトルクレンチを改良した。今回の実験の範囲では,各種作業条件による合マークのずれはそれほど大きくなかったが,合マークのずれと軸力はややバラツキが大きいものの比例関係にあった。これは,合マークがずれた場合に現場の機関士はボルトの締結状況を確認した上で合マークを優先させるべきであるということを示唆している。
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[Remarks] アンケート結果に関しては, ISME Kobe2011に投稿予定
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[Remarks] 実証実験に関しては,マリンエンジニアリング学会での講演準備中