2011 Fiscal Year Annual Research Report
こわさない技術としての舶用機関におけるボルト・ナットの締結管理に関する研究
Project/Area Number |
21560831
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井川 博雅 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (20184377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 隆一 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (20093544)
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Keywords | 機関損傷 / 保守点検整備 / 締結管理 / アンケート調査 / 潤滑油 / ボルト締結法 |
Research Abstract |
船内機関室における作業環境が締付け軸力に及ぼす影響を,前年度に引き続いてアンケートに基づく実証実験により調査し,以下の結果を得た。実験では前年度にトルクを計測・記録できるように改良したシグナル式トルクレンチとボルト中央に空けた孔に歪みゲージを貼り付けたボルトゲージを用いている。 1.機関室内で発電機クランクピンボルトをトルク締めすることを想定して,約30度の狭い範囲で縦方向に締め付けを行い,締付け方向を垂直持上げ方向から水平方向,垂直押下げ方向へと変化させて締め付けトルクとボルト軸力を計測した。その結果,設定トルクが同じであるにも拘わらず,締付け方向によって締め付けトルク・ボルト軸力ともにわずかながら直線的に変化することがわかった。クランクピンボルトを水平方向に締め付けるようにセットして締め付けを行った場合にはこのような直線的な変化は見られなかった。その原因をシグナル式トルクレンチの構造を考慮して検討した結果,シグナル発生の機構に起因する重力の影響によるものであると考えられる。 2.合いマークに関する実証実験を前年度から継続して行った。合いマークの一致した基準状態に対して,締め付け不良から基準状態にまで増締めした場合と締めすぎた状態から基準状態にまで戻した場合の双方について,ボルトの回転角度と軸力を計測して比較した。角度の計測はプロトラクタを使用して精度を向上させた。基準状態において角度は±2°,軸力は±4%のばらつきが見られ,締めすぎた状態から戻した場合の方が僅かに高い軸力を示した。
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