2011 Fiscal Year Annual Research Report
モーダルシフトの向上に資するインターモーダル輸送網の構築に関する研究
Project/Area Number |
21560836
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松尾 俊彦 東海大学, 海洋学部, 教授 (80157263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永岩 健一郎 広島商船高等専門学校, 流通情報工学科, 教授 (90189100)
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Keywords | フェリー輸送 / RORO船輸送 / 輸送経路選択 / モーダルシフト / インターモーダル輸送 / 高速道路料金 |
Research Abstract |
平成23年度は、平成22年度に構築したトラックの輸送経路選択モデル(最尢推定法によるロジスティクス回帰モデル)により、トラックの形態別(自家用、混載、貸切、トレーラ)の経路選択問題やモーダルシフトの分析を行った。この結果を5月に開催された日本航海学会に発表し、まとめた論文を学会に投稿して、査読論文として論文集に掲載された。次に、高速道路利用料金の割引や無料化が、モーダルシフトにどのような影響を与えるかについて、数理モデルを構築し検討を行った。その結果、高速道路利用料金の割引などは、RORO船を利用するトラックよりもフェリーを利用するトラックに大きな影響を与え、逆モーダルシフトが進展することが分かった。また、海上の利用運賃をさげるような政策が採られた場合も、RORO船よりはフェリーの方に効果が見られ、モーダルシフトが進展することが理解できた。この結果をまとめ、日本物流学会に投稿した(現在査読中)。 さらには、フェリーとRORO船の定期航路が重なることが見受けられるよ'うになったことから、フェリーによる貨物輸送とRORO船による貨物輸送の棲み分けと競争について分析し、この結果を日本海運経済学会で発表し、論文を投稿した(現在査読中)。 以上のように、インターモーダル輸送の中心となるフェリーとRORO船の利用分析とモーダルシフトに関する分析を行うとした目的は達成された。ただし、新たな航路開設によるモーダルシフトの分析については不十分な状態で、引き続き研究を継続している。 2つ目の目標であったインターモーダル輸送に与える港湾の問題、すなわち経路選択における港湾の特性をモデルに汲み入れることはできなかった。これからの研究課題としたい。ただし、フェリー輸送においては、苫小牧~八戸間のような短中距離航路が選択される傾向にあり、RORO船が長距離という航路設定を行えぱ、インターモーダル輸送網の構築に効果があることが理解できた。
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Research Products
(4 results)