2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560840
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
丹羽 敏男 独立行政法人海上技術安全研究所, 構造系, グループ長 (10208267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義久 独立行政法人海上技術安全研究所, 構造系, 主任研究員 (70399517)
島田 道男 独立行政法人海上技術安全研究所, 構造系, 嘱託職員 (30396246)
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Keywords | 披露損傷 / モニタリング / 圧電素子 / 健全度診断 / 損傷検出 |
Research Abstract |
船体における疲労き裂発生の主要部位である隅肉溶接部近傍に貫通スリット加工を施した試験体を用いて,疲労き裂の発生伝播をモニタリングする超音波送受信システムの機能を検証した。前年度は、モニタリングのためのセンサの配置や波のモード(縦波、横波(SV,SH)、表面波)等について、透過波と反射波を組み合わせた適切な適用方法を明らかにした。今年度は、き裂進展の定量評価を目的に4つの波モードの特質を検討した。 SHモード横波が波形伝搬に伴う歪みが少なく適用しやすく,表面波は隅肉による減衰を受けやすいものの、き裂表面開口部のみに着目した評価ができるなど、波モードに特有の性質を反映した評価性能を示した。 定量評価のためには、伝播時間(TOF)の変化を利用した方法と振幅変化を使用した方法がある。前者は理論式が適用できるが、一般的なセンサ配置においては伝播時間の変化が小さいため、限定的な利用になると考えられた。後者の方法は、ほぼ指数分布を基に検量線を定める事により、き裂サイズの定量化に利用できると考えられた。 また、前年度同様に疲労き裂を発生させた試験体を用いて、応力作用下の疲労き裂評価性能を検証した。中央貫通き裂(KA40鋼、一定荷重振幅試験、応力比0.1)では、き裂が開口している応力範囲、すなわち最大応力の約50%以上の応力で疲労き裂長さを評価する必要があることが分かった。一方、片側疲労き裂ではこのような現象は観測されなかった。片側疲労き裂(KA40鋼、一定荷重振幅試験、応力比0.1)は開口しやすいことが原因として考えられた。船体における疲労き裂のモニタリングにおいては、き裂の開閉口挙動にも留意し,船体運動との同期した計測による適切なデータ取得が重要である。
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Research Products
(2 results)