2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波水中映像ソーナーに用いる音響レンズの無収差化
Project/Area Number |
21560843
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学 |
Principal Investigator |
中村 敏明 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学, 応用科学群, 教授 (50089885)
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Keywords | 海洋探査 / 超音波 / ソーナー / 音響レンズ |
Research Abstract |
複雑なビーム形成回路を必要としない、音響レンズ方式の水中映像ソーナーが、最近再び注目されている。これに用いられる音響レンズの形状は、球面・非球面の物があったが、レンズの収差により、音波を一点に集中させることは困難であった。本研究では、近軸部分において、平行に入射する音線に対し、球面収差とコマ収差をほぼ完全に補正できる、アプラナート音響レンズの設計を、光学レンズの設計に用いられる光線追跡法を用いて行った。また、実際に製作した2種類の径をもつアプラナート音響レンズを用いて水槽実験を行い、径の違いによる集束特性の比較を行った 今まで口径16cmの球面レンズ、非球面レンズ、そしてアプラナートレンズを製作し、周波数500kHzを用いたFDTD法による数値計算および水槽実験によって、その集束特性を評価し、アプラナートレンズの優位性の実証を行ってきた。 周波数500kHzの音波の水中における波長は3mmであり、これまで用いてきた口径16cmのレンズでは口径対波長比は約50であった。この比をもっと大きくすることによって、つまり口径を大きくすることによって、集束特性は向上することが予想される。 そこで、今年度は、口径対波長比130の40cmレンズを用いて、その集束特性を水槽実験によって評価した。その結果、大きい方のアプラナートレンズのビーム幅は、それぞれのレンズのFナンバー(焦点距離対口径比)を補正すると、小さい方のレンズのビーム幅と同じ特性が得られた。 この実験により、口径対波長比が50程度あれば、音響レンズシステムとして十分な性能を持つに足る集束特性が得られる、ということが確認された。
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