2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波水中映像ソーナーに用いる音響レンズの無収差化
Project/Area Number |
21560843
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
中村 敏明 防衛大学校, 応用科学群, 教授 (50089885)
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Keywords | 海洋探査 / 超音波 / ソーナー / 音響レンズ |
Research Abstract |
複雑なビーム形成回路を必要としない、音響レンズ方式の水中映像ソーナーが、最近再び注目されている。そこで本研究では水中音響レンズの無収差化の研究を行っている。 レンズの大口径化にともなって、重量の増加、内部減衰の増加が予想され、これらの問題を回避する一つの方法として、フレネルレンズの採用が挙げられる。これまで球面フレネルおよび非球面フレネルの設計を行い、その集束特性をFDTD法を用いて評価してきた。その結果、非球面フレネルレンズは、球面フレネルより、球面収差が少なく、鋭い集束特性を持ち得ることが予測できた。 今年度は、まず双曲面をもった直径200mm、Fナンバー2の非球面フレネルレンズを製作し、その集束特性を水槽で測定した。音源から500kHzのバースト波を出して、レンズに入射させ、集束音場をハイドロホンで測定した。ハイドロホンはXYZステージに取り付け、コンピュータでコントロールして移動させ、2次元の音場を自動計測させた。計測データを解析し、軸上特性、ビームパタン等の特性を出した結果、球面収差の少ない性能が得られたことを確認した。 続いて、球面収差、コマ収差をともに軽減できる両面非球面の、直径200mm、Fナンバー2のアプラナート・フレネルレンズの設計・製作を行い、同じようにして、水槽で集束特性を測定した。レンズはシリコンゴムで製作したので、柔らかく自立することは難しい。そこで、薄いアクリル板を付けて補強した。結果は現在解析中であり、従来のアプラナートレンズ、双曲面フレネル・レンズ等の集束特性と比較検討し、23年度に論文発表を行う予定である。
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