2011 Fiscal Year Annual Research Report
孔内ストンリー波のき裂透過係数に現れるオーバーシュートとき裂特性の関係
Project/Area Number |
21560844
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
齊藤 玄敏 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70264091)
|
Keywords | 再生可能エネルギー / 資源開発工学 / 地熱 / 音波検層 / 地下き裂計測 / 孔内ストンリー波 |
Research Abstract |
地下き裂の性状を評価する方法の一つとして,音波検層波形中に観測されるストンリー波の地下き裂における透過係数と反射係数を利用する方法が提案されている.実フィールドにおける地下き裂の性状評価の現状においては,反射係数の利用は見られるが,透過係数の利用はほとんど見られない.この理由として,透過係数はストンリー波が卓越する低周波域で雑音の影響が大きく,理論モデルと整合しないため,き裂のパラメータ推定が難しくなることによる. 低周波域卓越する雑音は,透過係数のオーバーシュートとして観測される.この原因は主にき裂内流体の流動抵抗により生じた反射波の重畳によるものであることを室内実験と数値解析の双方で確認した.室内実験においては,き裂外周部が完全に外部に開いた試料と閉じた試料の双方を用いての比較実験を行い,き裂透過係数に現れるオーバーシュートの大きさやピーク周波数の間隔,継続周波数帯域などの特徴と,き裂の開口幅をパラメータとして調査した.得られた実験結果とTang and Cheng(1993)の理論とを詳細に検討した結果,透過係数に重畳している波は,反射波の位相が180度ずれた波で,振幅や周波数特性は反射波にほぼ等しく,周波数が大きくなると減衰することが判明した.このことから,Tang and Cheng(1993)の理論の透過係数に改良を加えるだけで,実フィールドのき裂の性状評価に利用できることになる。
|
Research Products
(2 results)