2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速双ロールキャスターによる自動車アルミボディー材の革新的等品位リサイクル
Project/Area Number |
21560853
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽賀 俊雄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00212134)
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Keywords | リサイクル / 高速双ロールキャスター / 無害化 / 省エネ / 鋳造用アルミニウム合金 / 薄板 / 再生利用 / 急冷凝固 |
Research Abstract |
自動車のボディーシート用のアルミニウム合金のFe量は,良好な曲げ性を得るために一般的に0.2%以下に制限されている.しかし,一般的には一回のリサイクルで不純物としてのFe量は,約0.2%増加するため,ボディーシート材のリサイクル材をボディーシート材に使用することは不可能とされていた.また,不純物Feの除去もコスト的に実用的では無いとされていた.そのため,不純物の無害化が望まれていた.本研究では通常のアルミニウム合金用双ロールキャスターより冷却速度が優れている高速双ロールキャスターを使用して不純物を微細化して靱性に対する害を小さくすること,および組織を微細化することで靱性を向上させることで,等品位リサイクルの可能性を明らかにした.6000系と5000系の合金の他にリサイクル材を使用する鋳造用合金についても板材として使用する可能性を調査した. ボディーシートに使用する展伸用アルミニウム合金のリサイクルから研究はスタートした.不純物Fe増加が原因でAISiFe系金属間化合物の晶出による機械的性質の劣化はCuによるCuAl_2などの析出効果,またはSiの増加で防げることを示した.この研究をとおして明らかになったことは,展伸用アルミニウム合金の等品位リサイクルは可能で,高速双ロールキャスターは有効であることである.高速双ロールキャスターの高冷却能を活かし,安価なボディーシート材を作製するには,安価な鋳造用アルミニウム合金を使用すべきである.ヘム加工以外であれば,AC3A合金でさえも高速双ロールキャスターで鋳造した板は深絞りが可能であることを明らかにした.これは,アップグレードリサイクルの可能性を示唆していると考えられる.
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Research Products
(8 results)