2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560860
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
山田 一博 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (80222371)
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Keywords | プラズマ計測 / トムソン散乱 / 復走レーザー / 前方散乱 / 後方散乱 |
Research Abstract |
本研究課題では,LHDトムソン散乱装置の測定温度領域の拡大(50eV~10keV→5eV~30keV)と電子温度の等方性・非等方性の実験的検証を目的とし,LHDトムソン散乱装置を前方散乱・後方散乱のハイブリッド形式が可能な複走レーザートムソン散乱装置へ発展的に改造した研究を行う。 このために,平成21年度においては複走レーザートムソン散乱に欠かせない位相共役鏡を用いた縦シングルモード発振可能な高繰り返し・高出力レーザーの開発を重点的に実施した。このレーザーは既存のコンテニュアム製50Hz/0.5Jレーザーと同10Hz/2.5Jレーザーの2台を組み合わせることをベースにしている。これに位相共役鏡を組み合わせ,繰り返し周波数を上げるために電源部の改良を行った。また,安定動作のために冷却系統の改良も施した。 開発の第一段階で得られた性能は1.9J/10Hz(平均出力19W相当)の縦シングルモードの発振を達成した。次に高繰り返し化を図り,1.2J/25Hz(平均出力30W相当)の性能向上に成功した。更に高繰り返し化のために電源部の増強と冷却系の改良を行い,平成21年度では最終的に1.15J/50Hz(平均出力57.5W相当)の性能を引き出すことができた。現状ではレーザーの出力は電源容量で上限が決まっているため,電源を更に増強することで最終的に1.5J/50Hz(平均出力75W)を目標とした開発を進めていく計画である。 また,本研究で製作した位相共役鏡の反射率は96.7%と非常に良好な性能を有することも確認でき,複走レーザートムソン散乱装置の実現に向けて明るい見通しを得ることができた。これらのハードウエアの開発研究に加え,LHDに複走レーザー経路を設置するために数々の検討と実機の設計も行った。実際の設置までには安全性等のテストを行う必要があるが,これは平成22年度の6月までに終了できる見込みである。 以上,平成21年度の研究ではおおむね良好な成果を得ることができたので,平成22年度以降も精力的に研究を進める予定である。
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