2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560860
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
山田 一博 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (80222371)
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Keywords | 核融合 / プラズマ計測 / トムソン散乱 / 前方散乱 / 後方散乱 |
Research Abstract |
平成23年度の研究において,本研究課題で開発した高繰り返し・高出力レーザーを実際のLHDプラズマの電子温度・密度計測に応用し、ほぼ期待通りの性能であることを検証しました。本レーザーの平均出力(パルスエネルギー×繰り返し周波数)は6Wで,LHDトムソン散乱装置で使用中のレーザーの中で最も高出力の装置を開発できました。このレーザーを用いることで,サンプリング周波数を既存のシステムの2倍(50Hz→100Hz)へ向上することができました。 本研究のもう一つの目的である複走レーザー前方-後方散乱マルチパス形式のトムソン散乱装置の開発については;LHDプロジェクトのマシンタイムと設置許可の関係でLHDで実施することは諦めざるをえなくなりました。その代わりとして,筑波大・ガンマ10トムソン散乱装置に本申請課題のものと同様なシステムを組み込ませていただき,種々の試験を行いました。いくつの困難を克服し,筑波大・ガンマ10トムソン散乱装置をマルチパス形式のものべ改良することができました。筑波大・ガンマ10のプラズマはLHDのそれより1桁以上電子密度が薄いため散乱信号強度も弱く,このような状況では複走形式によりレーザー強度を増大させることは一番効果的であることを検証しました。 複走レーザートムソン散乱装置は国内外でも応用例は2,3例に限られ,今回の成功は一つのマイルストーンとなると同時に技術的にも貴重な経験を積み重ねることができました。当初予定していたLHDでの応用の代わりにガンマ10での実施となった点を除けば,本申請課題はほぼ所定の成果をあげることができたと考えます。 なお,研究業績として本報告書のリストに加え、rHTPD2012(Monterey,CA,USA,May6-10,2012)において3件発表を行ったことと,平成24年5月に計3編の学術論文をRev.Sci.Instrum.誌へ提出したことを付記いたします。
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Research Products
(10 results)