2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560865
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
菊池 満 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 上級研究主席 (10150525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永見 正幸 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究嘱託 (70370442)
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Keywords | トカマク / 運動量バランス / 残留トロイダル回転 / 不純物 / 残留ポロイダル回転 / 新古典トロイダル粘性 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき、トカマクにおいて非軸対称磁場が加わった場合のオフセットトロイダル回転のこれまでの理論(Callen理論)を21年度の成果を踏まえて見直し、Callen教授と異なる表式を得た。その違いは2つの点で生まれる。まず、残留ポロイダル熱流が生み出す残留ポロイダル回転として磁気面上の一次流れを正確に取り入れた表式を得た。また、測定に用いられている不純物流速が主イオントロイダル流速と異なることから、見た目での残留トロイダル回転はShaing教授が求めた非両極性粒子束を0にするための残留トロイダル回転に上記2項が加わる形で残留トロイダル回転が生まれることを導いた。 これらの成果は以下のように具体化した。 1.成果1:21年度に出版した「物理学と核融合」(京都大学学術出版会)にトカマクプラズマ回転の物理等を追記した英訳版を"Frontier in Fusion Research Physics and Fusion"としてSpringer Verlag Londonから3月に出版した。 2.成果2:定常運転に関わるIAEA技術会合(12月、ウイーン)において、新古典トロイダル粘性に伴う残留トロイダル回転に関する上記の研究成果を含む定常トカマクの物理を冒頭講演として発表し、論文"Physics of steady state operation of tokamaks"を執筆した。 3.成果3:プラズマ核融合学会の年会(12月、札幌)で新古典トロイダル粘性に伴う残留トロイダル回転に関する上記の研究成果を講演した。 4.成果4:テキサス大学において開催されたITERサマースクールにおいて磁気面上の運動量バランスを用いて定常トカマク炉の物理について講義し、その内容を"Physics of plasma control toward steady-state operation of ITER"としてFusion Science and Technologyに論文を掲載した。 5.成果5(繰り越し分):乱流輸送における運動量バランスの影響として雪崩現象の伝搬と径電場シアの関係を評価し、背景径電場シアの正負に応じて雪崩の伝搬方向が変わることを示した。この成果を物理学会年会で講演した。
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Research Products
(5 results)