2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560878
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
坂本 文徳 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (60391273)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香西 直文 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (80354877)
|
Keywords | ウラン濃集タンパク質 / 酵母 / 非含硫アミノ酸 |
Research Abstract |
本研究は、ウランを濃集するタンパク質を特定・同定する効率的な新規手法を開発し、タンパク質探索に費やす時間と労力を大幅に短縮するものである。そして、タンパク質を用いた使用済核燃料や放射性廃棄物、さらに環境中からのウラン回収方法の確立を目標としている。平成23年度は、(1)ゲル二次元電気泳動の条件確立、(2)ウエスタンブロッティングの条件確立、(3)タンパク質とウランの接触ならびに放射能測定の条件確立、(4)タンパク質の同定に取り組む予定であった。(1)については、SDS-PAGE法とNative-PAGE法という二種類の電気泳動法について条件設定を行い、タンパク質を分離する条件を確立した。(2)のウェスタンブロッティングはタンパク質をゲルからPVDF膜に転写する操作のことである。転写されずにゲルに残ったタンパク質の銀染色法による観察、PVDF膜に転写したタンパク質の金コロイド染色法による観察からタンパク質の転写を確認し、ウェスタンブロッティシグの条件を確立した。(3)と(4)について、まず酵母がウランを濃集すること、酵母のタンパク質がウランを濃集することを確認した。タンパク質とウランの接触条件、放射能の測定条件も設定した。しかし、ゲルで分離出来るタンパク質の絶対量が少なすぎたため、タンパク質が濃集するウランの放射能は検出限界以下であった。そこで、サイズ排除カラムを利用した液体クロマトグラフィーと質量分析器を組み合わせた検出系を利用することでタンパク質に濃集するウランの測定を試みた。その結果、46キロダルトン程度の大きさのタンパク質がウランを濃集することを明らかにした。また、硫黄が検出されなかったことから、当該タンパク質は含硫アミノ酸(メチオニンとシステイン)を構成要素としないことが示唆された。以上の成果を出し、平成23年度はほぼ研究実施計画通りの成果が得られた。
|
Research Products
(3 results)