2011 Fiscal Year Annual Research Report
無機塩・炭素系複合収着材を適用する高エネルギー密度の水蒸気収着冷凍機の開発
Project/Area Number |
21560880
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
汲田 幹夫 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (60262557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 昭雄 金沢大学, 機械工学系, 教授 (30274690)
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Keywords | 省エネルギー / 吸着冷凍機 / 金属塩添着 / 活性炭素繊維 / 水蒸気収着 |
Research Abstract |
液体冷媒の蒸発・凝縮と,冷媒蒸気の固体吸着材に対する吸脱着を利用して冷房・冷凍用の冷熱を生成する吸着冷凍機におけるエネルギー密度を向上させるためには,相変化熱の大きな冷媒を用いることと,蓄冷媒材である固体吸着材の熱交換器内への高密度充填と充填部の伝熱促進を図ることが重要である。本研究では,冷媒に水を,固体吸着材には高密度活性炭素繊維(HDACF)に水との反応性に富む塩化カルシウムCaCl_2を添着担持した複合材をそれぞれ適用する水蒸気収着冷凍機を開発することを目的としており,今年度は,昨年度までの結果を踏まえて,本複合材の水蒸気収着能の向上,複合材と金属Al伝熱平板との一体化,そして,一体化物の伝熱性能について検討を行い,以下のことが明らかになった。1)フェノール樹脂繊維を原料とするHDACFを用いて最大見掛け密度1.14kg/m^3までのCaCl_2複合収着材を調製することができ,相対蒸気圧0.29における水蒸気収着量は市販シリカゲルを上回る0.3kg-H_2O/kgまで到達した。また,水蒸気収着速度は複合材のCaCl_2添着量や調製時の焼成条件の影響を受ける。2)HDACFとAl板の一体化について,HDACFとAl板の接触面にAl微粉を挟み,不活性雰囲気下での高温溶融と徐冷処理により検討を行ったが十分な一体化物を得ることはできなかった。他方で,フェノール樹脂繊維とAl細線の混合物を原料として,圧縮加熱,炭化,CO_2賦活により高密度吸着材を調製することが可能である。3)エポキシ樹脂/ポリアミド系バインダを用いたHDACF-Al接着系と,バインダ無添加のHDACF-Al接触系によるエタノール蒸気吸着実験を実施し,前者において蒸気吸着に伴うHDACF層の温度上昇が後者に比べて抑えられ,バインダ添加によるAl板との一体化はHDACF層の伝熱促進に効果的である。
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