2009 Fiscal Year Annual Research Report
電解還元法を用いたナノ構造を有する新規マンガン系蓄電材料の作製
Project/Area Number |
21560885
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
片倉 勝己 Nara National College of Technology, 物質化学工学科, 教授 (80169466)
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Keywords | 電気化学沈降法 / 水酸化マンガン / リチウムイオン電池 / 正極 |
Research Abstract |
電気化学沈降法によって合成した水酸化マンガンへの水溶液中でのリチウムイオンの移動過程について、水酸化マンガンへの化学的および電気化学的リチウム挿入反応を主とする、バルク反応を中心に検討を進めた。その結果、電解沈降水酸化マンガンへの化学的なリチウム挿入には、酸化剤による水酸化マンガンの酸化が同時に進行することが不可欠であることが示唆された。 そこで、水酸化リチウム水溶液中、電解水酸化マンガンを電気化学的かっ定量的に酸化したところ、0V(VsHg/HgO)以上の電位において酸化電流が観察され、通電電気量に比例したリチウムの導入が確認された。このことから、水酸化マンガンへの電気化学的な酸化によってリチウムイオンの導入反応が定量的に進行することを新規に確認した。また、電気化学的な酸化過程は化学的酸化プロセス・に比べて1/20程度の時間(およそ1時間で)進行することがわかった。しかしながら、比較のために実施したリチウム以外のアルカリ金属イオンの場合と比べる導入速度が遅いこと、また酸化初期段階ではリチウムの挿入は認められないことから、水酸化マンガンへのリチウム導入には、リチウムが存在する条件での水酸化マンガンの酸化プロセス制御が極めて重要な役割を持つことが明らかとなった。 そこで、リチウム存在下において定量的に電気化学的酸化を施した水酸化マンガンの酸化状態に伴う構造変化を、XRDを用いて調べたところ、いずれのリチウム含有マンガン酸化物ともにアモルファス状と推定された。リチウム挿入反応と酸化状態との関連性の解明に向けて、この点については、引き続き検討をおこなっている。
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Research Products
(2 results)