2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570002
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
松本 幸次 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (00119140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 弘志 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00173071)
松岡 聡 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90509283)
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Keywords | 脂質ドメイン / カルジオリピン / ホスファチジルエタノールアミン / 枯草菌 / カルジオリピン合成酵素 / MinD |
Research Abstract |
本研究は、細菌膜脂質ドメインの構造とその形成機構の解明を目的とし、以下の2つの課題を設け、その解決をはかることを目的とした。(1)カルジオリピンとホスファチジルエタノールアミンは枯草菌細胞膜に均一に分布せず、分裂隔壁と両極にドメインをつくり局在することを明らかにしたので、これまで未検討であった他の主要脂質に対するプローブを開発し、細胞表層における膜脂質分布の全体像を解明する。(2)枯草菌細胞の分裂隔壁細胞膜に脂質合成酵素が局在することをこれまでに明らかにしたので、分裂隔壁への局在が、どの様な仕組みでおこるのかを、細胞分裂に関連するタンパク質との相互作用と、酵素タンパク質の内部の局在に係わる領域を解析し、脂質ドメインが形成・維持される原理とその機能を解明する。 平成22年度は、課題(1)は、前年度に続き標的脂質分子に特異的に結合するオリゴペプチドをM13ファージディスプレイのライブラリーから選択した。糖脂質、ホスファチジルグリセロールもしくはカルジオリピンに結合するペプチドをコードするクローンをスクリーニングし、配列を決定し、特異性検定をELISA法に集中して実施した。環状7アミノ酸残基および直鎖状10アミノ酸残基のオリゴペプチドで、特定脂質に対し高い特異性を示す候補をクローン得ている。 課題(2)については、昨年度に見出した、細胞分裂位置を制御するタンパク質MinDのCOOH末端にある、新たな両親媒性αヘリックスCTDα1の役割について解析を進めた。この新規な両親媒性ヘリックスは、単独で隔壁に局在し、この領域がヘリクスをとること、また塩基性のアミノ酸が、局在に必要であることを変異タンパク質-GFPの解析から明らかにした。更に、CTDα1は、これまでMinDの局在に関与することが示されているDivIVA,MinJには、その局在が依存しないことを明らかにした。
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