2011 Fiscal Year Annual Research Report
テロメアとヘリケースの染色体維持における新規連係機構の解明
Project/Area Number |
21570006
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上野 勝 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 准教授 (90293597)
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Keywords | テロメア / 分裂酵母 / 微小管重合阻害剤 / 染色体分配 / ヘリケース / DNA組換え |
Research Abstract |
染色体末端には、テロメアと呼ばれる領域が存在する。テロメアはDNA繰り返し配列とそれに結合する蛋白質から構成されており、細胞の老化やがんと密接に関係している。我々は、分裂酵母テロメア結合因子pot1の破壊株とヘリケースRqh1の点変異株(rqh1-hd株)との二重変異株(pot1 rqh1-hd株)では、テロメアが組換えで維持されることや、微小管阻害剤感受性になることなどを報告している(Mol.Cell.Biol.2011)。 本年度は、このpot rqh1-hd株のM期進行に異常があるのかどうかを調べた。そのために、微小管蛋白質に蛍光蛋白質を融合させて、微小管の伸長をライブ観察した。その結果、pot1 rqh1-hd株では、M期の進行がメタフェーズで停止する頻度が高いことがわかった。次に、M期で停止しているpot1 rqh1-hd株でスピンドルチェックポイントが活性化されているかどうかを調べた。方法は、スピンドルチェックポイントが活性化されたら分解が阻害されるセキュリン蛋白質に蛍光蛋白質を融合させた株を用いた。その結果、M期で停止しているpot1 rqh1-hd株では、セキュリンが分解されないままでいることを発見した。また、pot1 rqh1-hd株のM期の進行がメタフエーズで停止する現象は、スピンドルチェックポイント因子であるMad2やBub1の破壊で抑圧された。これらのことから、pot1 rqh1-hd株は、スピンドルチェックポイントが活性化されることがわかった。
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