2011 Fiscal Year Annual Research Report
ファシリテーション-生物学的侵入関係の決定機構解明
Project/Area Number |
21570011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
露崎 史朗 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (10222142)
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Keywords | ファシリテーション / 遷移 / 永久調査 / 空間構造 / 播種実験 / 谷地坊主 / 実生生存 / 種子発芽 |
Research Abstract |
ファシリテーション(他種定着促進作用)は、遷移初期に群集多様性を高める要因として注目されるが、時に、生物学的侵入を促進し、ファシリテーションが生態系劣化を誘引することもあり、遷移は加速されるが生態系回復は遅延することがある。そこで、ファシリテーションと生物学的侵入との関係を明らかとするために、ファシリテーション作用が顕著である谷地坊主tussockを対象に操作実験を行った。操作実験区設置前に、tussockおよび他種個体のマッピングを行い、空間構造を把握した。実験区は、平坦部[tussockなし]、2)Tussock区[無操作対照区]、3)Tussockリター除去区である。各区に対し、播種(単播区×2)・混播区(×1)と非播種区(×1)を設置し、3(tussock処理)×4(播種処理)=12処理区、となるよう実験区を設置し、播種および移植実験を施し追跡調査を行った。主な成果は以下の通り。 乾燥地ではtussockによる被陰効果と種子トラップ効果により、禾本植物の実生発生と生存率が裸地に比べ高かった。ただし、生物学的侵入種のtussock利用はない。湿地では、被陰効果・トラップ効果が認められ、土壌移動低減作用と微地形に伴う水分勾配の成立が示された。ファシリテーション強度は、土壌水分を介した環境変化により決定されることが示唆され、高い水分勾配が、様々な種の侵入・発芽を促進していた。これらの効果は、リター除去を行っても効果はほとんど変化せず、tusscok形状がファシリテーションにより関与していることが示された。発芽率は、生物学的侵入種の方が在来種よりも高く、発芽域も広かった。実生と環境の追跡調査を行いデータ補完を行ったうえで、各生物群について生活史全体を通してのファシリテーション効果を定量化し、生物学的侵入との関係を示した。
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[Journal Article] Quick recovery of carbon dioxide exchanges in a burned black spruce forest in interior Alaska2011
Author(s)
Iwata, H., Ueyama, M., Harazono, Y., Tsuyuzaki, S., Kondo, M., Uchida, M.
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Journal Title
SOLA
Volume: 7
Pages: 175-178
DOI
Peer Reviewed
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