2010 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動とハイマツの年枝伸長生長の長期モニタリング
Project/Area Number |
21570018
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
和田 直也 富山大学, 極東地域研究センター, 教授 (40272893)
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Keywords | 気候変動 / 地球温暖化 / 高山生態系 / ハイマツ / 長期モニタリング / フェノロジー |
Research Abstract |
ハイマツの年枝伸長生長と気象要因・立地環境との関係を明らかにし,地球温暖化の影響指標を確立する目的で,富山県立山山地の高山帯(広義)に四つの永久調査地を設置し,一夏の伸長生長フェノロジーを昨年に引き続き80本の個体(主幹)を対象に調査した。ある時間における伸長生長量は,ロジスティック曲線により回帰できた。温度ロガーを用いて消雪日を推定したところ,2010年においては5月21日~6月30日であることが分かり,消雪日と伸長開始日は有意な正の相関を示した。一夏での年枝伸長量は,全集団込みで解析した場合,消雪日と有意な負の相関を示し,伸長生長が生育期間の長さと関係があることが示唆された。しかし,ある集団内においては,消雪日と有意な正の相関が示され,早期の消雪が低温傷害等により伸長生長に負の影響を及ぼしている可能性が示唆された。以上のように,消雪時期が生長に及ぼす正の効果と負の効果が検出されたが,温暖化影響を予測するためには更なるデータの蓄積と解析が必要である。また,五つの集団でリターフォール量の調査を実施し,ハイマツ群落のリター量は各集団における伸長生長量と正の相関関係にあることが示唆された。さらに,リターの分解に関与する中型土壌動物の生息密度を調べたところ,トビムシ類の密度は標高傾度に沿って増加すること等が分かった。
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Research Products
(4 results)