2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物における翻訳アレストにより誘導されるmRNA分解機構
Project/Area Number |
21570032
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾之内 均 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 准教授 (50322839)
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Keywords | 翻訳アレスト / mRNA分解 / 新生ペプチド / リボソーム / NMD / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
以前の解析により、シロイヌナズナのポリアミン生合成鍵酵素であるS-アデノシルメチオニン脱炭酸酵素をコードするSAMDC1遺伝子において、ポリアミンに応答してuORFの終止コドンでリボソームが停滞し、それと共役してmRNA分解が促進されることを見出した。今年度は、この翻訳アレストと共役したmRNA分解機構を明らかにするために、Nonsense-mediated mRNA decay(NMD)経路が関与する可能性を検討した。その結果、シロイヌナズナのNMD因子の欠損変異株では、野生型株でみられたようなポリアミンに応答したSAMDC1 mRNA分解の強い促進は観察されなかった。このことから、SAMDC1遺伝子のuORFの翻訳終結段階において翻訳アレストが起きた場合に、NMD経路によるmRNA分解が促進されることが示唆された。 次に、翻訳伸長段階における翻訳アレストとmRNA分解の共役について解析する目的で、uORFによる翻訳抑制を受ける遺伝子の中から、uORFにコードされるペプチドによって翻訳伸長アレストが起こる遺伝子を探索した。シロイヌナズナの培養細胞から調整したプロトプラストを用いた一過的発現解析の結果、NAC082遺伝子のuORFをレポーター遺伝子のORFと融合した場合に、翻訳伸長アレストが起こることが示唆された。今後、この系を用いて、翻訳伸長アレストとmRNA分解の共役について解析する予定である。
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Research Products
(3 results)