2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物における翻訳アレストにより誘導されるmRNA分解機構
Project/Area Number |
21570032
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾之内 均 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (50322839)
|
Keywords | 翻訳アレスト / mRNA分解 / 新生ペプチド / リボソーム / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
植物において翻訳アレストとmRNA分解の共役の普遍的性について検討する目的で、新生ペプチドによって翻訳アレストが引き起こされる可能性が考えられるuORFの系を用いて解析を行った。前年度に新たに同定したペプチド配列依存的に翻訳抑制を起こす2つのuORFについて、試験管内翻訳系において翻訳アレストが起こるかの検討を行ったが、通常の翻訳条件では翻訳アレストは観察されなかった。細胞内に存在する何らかの代謝産物が翻訳アレストを誘導するために必要である可能性も考えられるため、今後、どのような条件で翻訳抑制が誘導されるかについての詳細な検討を行う。また、それらのuORFにおいて翻訳抑制と共役したmRNA分解の促進が見られるかを検討するために、各遺伝子の翻訳抑制に必要な野生型配列と翻訳抑制が起こらない変異型配列をそれぞれ導入した形質転換植物を作出した。次年度に、これらの植物を用いて、このuORFによる翻訳抑制と共役してmRNA分解が誘導されるかを検討する予定である。 今年度に新たに同定したペプチド配列依存的に翻訳抑制を起こすuORFの中に、翻訳阻害剤であるシクロヘキシミド処理によってmRNA蓄積量が増加するものを見いだした。このuORFでは、翻訳と共役してmRNA分解が起こる可能性が考えられる。このuORFについて、アミノ酸置換解析を行うことによって、uORFにコードされるペプチド中の翻訳抑制に重要な領域を同定した。
|