2009 Fiscal Year Annual Research Report
光合成における翻訳のレドックス制御と環境応答の分子機構
Project/Area Number |
21570033
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
西山 佳孝 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30281588)
|
Keywords | 光合成 / 翻訳系 / EF-G / レドックス制御 / チオレドキシン / タンパク質合成 / ラン藻 |
Research Abstract |
本年度の研究では、ラン藻Synechocystis sp.PCC6803を用いて、翻訳因子EF-Gを介した翻訳系のレドックス制御のメカニズムの解明、および光合成との関連性を明らかにすることを目的とした。 まず、EF-Gの酸化と失活のメカニズムを生化学的手法によって解析した。その結果、EF-Gの失活は、特定の2つのシステイン残基の酸化とそれに伴うジスルフィド結合の形成によるにとが明らかになった。さらに、このジスルフィド結合が、酸化還元酵素のチオレドキシンによって還元され、EF-Gが再活性化されることもわかった。これらの結果から、活性酸素による酸化と失活、およびチオレドキシンによる還元と活性化が、EF-Gのシステイン残基のレドックス状態に依存していることが明らかになった。したがって、EF-Gがチオレドキシンを介したレドックス調節を受け、タンパク質合成を制御していることが考えられる。さらに、チオレドキシンの還元力は主に光合成の電子伝達に由来しているため、光合成電子伝達と翻訳系がチオレドキシンとEF-Gを介してリンクしていることが示唆された。 これまでの研究によって、光合成系の修復・再生が翻訳系によって制御されていることが明らかになっている。したがって、本年度の研究成果と組み合わせると、光合成と翻訳系がレドックス調節によって互いに制御し合っていることが示唆される。
|
Research Products
(10 results)
-
-
[Journal Article] Synthesis of fatty acids de novo is required for photosynthetic acclimation of Synechocystis sp.PCC 6803 to high temperature2010
Author(s)
Nanjo, Y., Mizusawa, N., Wada, H., Slabas, A.R., Hayashi, H., Nishiyama, Y.
-
Journal Title
Biochimica et Biophysica Acta (印刷中)
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Regulation of translation by the redox state of elongation factor G in the cyanobacterium Synechocystis sp.PCC 68032009
Author(s)
Kojima, K., Motohashi, K., Morota, T., Oshita, M., Hisabori, T., Hayashi, H., Nishiyama, Y.
-
Journal Title
Journal of Biological Chemistry 284(28)
Pages: 18685-18691
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-