2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米田 好文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10124215)
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Keywords | 花芽形成 / 新規遺伝子 / ネットワーク / シロイヌナズナ / 促進因子 |
Research Abstract |
花芽分化誘導という発生過程の新規な制御因子を同定することに焦点を合わせている。その花芽分化誘導の時間的制御に影響する新規な変異体を同定した。遺伝子名を新規に命名し、FLORAISON TARDIVE1(FLA1)とFLA2とした。 fla1変異体を種々の条件で栽培し、花芽分化誘導までの時間を測った。その結果、fla1変異体は、長日(LD)条件でのみ花芽分化誘導の遅延がおこり、責任遺伝子FLA1は光周性に関与する遺伝子経路に属することを推定した。fla1変異により光周性経路に属するGI,CO両遺伝子は発現変化せず、下流のFT,LFY,AP1遺伝子が有意に発現低下していることを見いだした。この結果は、FLA1がCO経路とは独立して機能していることを推定させる。AP2-ドメインを持つ、TOE1,TOE2,SMZおよびSNZ遺伝子は、fla1変異により発現が低下していることも見いだした。既にSMZ遺伝子が光過程と自立的過程に関わることが推定されている。また、FLM遺伝子はこのような光周期過程と自立的過程の両方に関与していることが知られている。fla1突然変異体では、FLM発現量が上昇していた。しかし、FLCは変化無かった.この結果は,FLA1遺伝子が両方の過程に関与することを示唆する.FLA1遺伝子は,遺伝子配列の相同性からトリプトファン生合成に関与する遺伝子の可能性がある。そこでトリプトファンを培地に添加すると花芽分化誘導の遅延が回復することを発見した。それで、他のトリプトファン生合成突然変異体に解析を広げた.その結果,それらの遺伝子変異も花芽分化誘導が遅れることも見出した.さらに、トリプトファン添加でその遅延が回復した。
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