2011 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体鉄硫黄クラスター供給システムの分子機構とその制御に関する解析
Project/Area Number |
21570040
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中井 正人 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (90222158)
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Keywords | 葉緑体 / 鉄硫黄蛋白質 / 鉄硫黄クラスター / 補欠分子族 / 生合成 / レドックス制御 / 酸素発生 / 光合成 |
Research Abstract |
生物界に広く分布する鉄硫黄蛋白質はポリペプチド鎖に無機の鉄と硫黄が鉄硫黄クラスターと呼ばれる-特徴的な配位構造を形成して組み込まれている蛋白質の総称で、呼吸鎖や光化学系の電子伝達鎖における電子伝達のキーコンポーネントとして細胞内で様々な代謝活動に関与している。本研究では、酸素発生型の光合成を営む植物葉緑体において、酸素に不安定な鉄硫黄クラスターの供給システムに焦点を当て、その分子機構と制御メカニズムの詳細を明らかにすることを最終目的とする。われわれは、特に、i)葉緑体SufEと2種類のグルタレドキシンの相互作用のin vivo解析;ii)2種類のグルタレドキシンのそれぞれ、および両方を欠失させた変異植物体の形質の詳細の解析と各種酸化ストレスに対する感受性の解析;iii)大腸菌で発現精製したSufEとグルタレドキシンの相互作用のin vitro解析といった観点から研究を進めている。本年度の解析では、葉緑体に存在する2種類のグルタレドキシンについて、両方を欠失させた変異植物体を単離することができた。Genomic PCRによるgenotypingおよび両蛋白質を区別して認識する事ができる特異抗体を用いたWestern解析により、変異植物個体の葉緑体中では確かに両グルタレドキシンが欠損している事が確認できた。変異個体の各種ストレスに対する生育能を、強光ストレス、酸化ストレス、低温ストレスといった観点から、野生型植物およびシングルノックアウトの植物体との比較解析を進めた。
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