2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物表層微小管の安定性に関与するシグナル伝達因子の同定
Project/Area Number |
21570043
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 壮英 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (70379535)
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Keywords | シロイヌナズナ / 微小管 / リン酸化 / フォスファターゼ / MAPキナーゼ / 細胞骨格 / チューブリン / 植物 |
Research Abstract |
本研究では、植物の微小管構造の形成・維持に関与する新たな因子の同定と、分子メカニズムの解明を目指している。我々のグループでは、シロイヌナズナの変異体の解析によりMAPキナーゼフォスファターゼ様PHS1を単離しており、C792S不活性型PHS1が強力な間期表層微小管の不安定化を引き起こす事を明らかにしている。そこで、この遺伝子を利用し、以下の3項目を3年間で行う。 1)不活性型PHS1を用いて、間期表層微小管の形成・維持に関わる因子の同定 2)表層微小管を積極的に不安定にする因子の探索 3)PHS1に関連のあるMAPキナーゼカスケードの同定 1)について、C792S不活性型PHS1を発現した植物に対して、Fox-hunting法を試みた。しかし、不活性型植物は、湿潤・乾燥のコントロールが難しく、スクリーニングに必要なだけの種子を得られなかった。実際、得られた種子かちは抑圧変異体は得られなかった。現在、EMS処理によるスクリーニングも行い、表現型を抑圧する変異体の単離を試みている。すでに,20系統ほど候補が得られており、現在、さらなる検証を行っている。また、Fox-huntingを行うことが可能になるように、限定した器官で不活性型PHS1植物が発現する植物を作成中である。 2)について、現在、共発現データベースATTEDなどを用いて、PHS1と発現相関性の高い、キナーゼ、及びMAPキナーゼも含めてクローニングを行っている。さらに、すでに報告のあるMAPsについても、可視化マーカ作成を行っている。 3)にういて、現在DグループMPKの一部の4重変異体が完成した。しかし、微小管関連の表現型どころか、ほぼ野生型を示した。さらなる、多重変異体を作出中である。
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