2009 Fiscal Year Annual Research Report
孔辺細胞の背腹性・形態構築を制御する信号伝達系の解明
Project/Area Number |
21570046
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中川 強 Shimane University, 総合科学研究支援センター, 教授 (30202211)
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Keywords | 植物 / シロイヌナズナ / 気孔 / 孔辺細胞 / 形熊形成 / 受容体型キナーゼ / 信号伝達 / 微小管 |
Research Abstract |
植物表皮の気孔は大気とのガス交換調節を行う重要な構造である。我々は高等植物における気孔の発達メカニズム、特に孔辺細胞分化や形態構築の仕組みを解明することを目的に、シロイヌナズナの気孔形成突然変異体を用いて孔辺細胞の発達に関わる遺伝子の単離・解析を進めてきた。本年度の本研究課題では孔辺母細胞の分裂後の細胞形態構築に関する変異体(MC79)について以下の解析を進めた。MC79はロイシンリッチリピートを持つ受容体型キナーゼの変異体で、孔辺細胞の伸長方向や湾曲方向が異常になる表現型を示す。このような表現型から、MC79は孔辺細胞の極性確立に必要な情報伝達を担う因子であることが推察された。MC79はメリステモイドから孔辺細胞母細胞の周囲の細胞膜に出現し、孔辺母細胞の成熟段階では発現が消失する。また、孔辺母細胞の分裂面の細胞膜には局在しないという特徴を持つ。受容体型キナーゼについては2量体を形成する例が知られている。そこでBiFC、two-hybridで2両体形成を調べたところ、野生型MC79では2量体を形成し、変異型では2量体を形成しないことが示唆された。このことよりMC79を介した信号伝達には受容体の2量体形成が必要であることがわかった。また、口辺母細胞分裂面に局在しないための領域を探索したところ、キナーゼドメインが必要であることがわかっった。このことより、キナーゼドメインを介して分裂面から排除される特異な局在制御を受けていることが示された。
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Research Products
(12 results)