2011 Fiscal Year Annual Research Report
孔辺細胞の背腹性・形態構築を制御する信号伝達系の解明
Project/Area Number |
21570046
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中川 強 島根大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (30202211)
|
Keywords | 植物 / シロイヌナズナ / 気孔 / 孔辺細胞 / 形態形成 / 受容体型キナーゼ / 低分子量分泌タンパク質 / 信号伝達 |
Research Abstract |
植物表皮の気孔は大気とのガス交換調節を行う重要な構造である。我々は気孔の発達メカニズムを解明するため、シロイヌナズナ突然変異体を用いた解析を進めてきた。本年度は孔辺母細胞の形態構築に関する変異体(MC79)および低分子量分泌タンパク質(ATSP)遺伝子について以下の解析を進めた。 MC79はロイシンリッチリピートを持つ受容体型キナーゼ(RLK)の変異体で、孔辺細胞の伸長方向や湾曲方向が異常になる表現型を示す。このような表現型から、MC79は孔辺細胞の極性確立に必要な情報伝達を担う因子であることが推察された。MC79はメリステモイドから孔辺細胞母細胞の周囲の細胞膜に出現し、孔辺細胞の成熟段階では発現が消失する。また、孔辺細胞の分裂面の糸瑚包膜には局在しない。この局在パターンは特異的であり、MC79プロモーターを用いて類似RLKを発現させると同様の局在は示さず分裂面にも局在が観察される。そこで孔辺細胞の周囲の細胞膜と分裂面の細胞膜の間でMC79の移動が制御されていると考え、paGFP(光活性化型GFP)を用いた実験を行った。MC79-paGFPや類似RLK-paGFPを分裂中の孔辺細胞で発現させて強制的に分裂面に局在させ、様々な部位で光り活性化を行い融合タンパク質がどのように移動していくか調べた。その結果、MC79は分裂面から周囲にのみ移動し、周囲から分裂面に移動することはなかった。また、この移動の制御にキナーゼドメインが重要であることもわかった。 RLKのリガンドとしてペプチドが働く例が報告されている。そこでMC79RLKのリガンドを探索する目的でシロイヌナズナATSP遺伝子についてプロモーター:レポーターによる網羅的発現解析を行った。孔辺細胞前駆細胞で発現する遺伝子が見出されリガンドの候補と考えられた。これら研究を進めるため形質転換システムの開発も行った。
|
Research Products
(10 results)
-
-
[Journal Article] Two Sec13 homologs, AtSec13A and AtSec13B, redundantly contribute to the formation of COPII transport vesicle in Arabidopsis thaliana2011
Author(s)
Hino, T., Tanaka, Y., Kawamukai, M., Nishimura, K., Mano, S. and Nakagawa, T.
-
Journal Title
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
Volume: 75
Pages: 1848-1852
-
[Journal Article] Development of a series of Gateway binary vectors possessing a tunicamycin resistance gene as a marker for the transformation of Arabidopsis thaliana2011
Author(s)
Tanaka, Y., Nakamura, S., Kawamukai, M., Koizumi, N., Nakagawa, T.
-
Journal Title
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
Volume: 75
Pages: 804-807
-
-
-
-
-
-
-