2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞内の緊縮制御因子シグナルによる葉緑体機能制御の機構解明
Project/Area Number |
21570047
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
戸澤 譲 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 教授 (90363267)
|
Keywords | 植物葉緑体 / カルシウム / ppGpp / 緊縮制御因子 |
Research Abstract |
緊縮制御因子が合成するppGppはバクテリアのグローバルレギュレーターとして知られる核酸分子であり、GTP結合タンパク質をターゲットとしてその機能を制御することが知られている。ppGppの葉緑体における機能を検証するため、平成22年度は、エンドウマメの芽生えより葉緑体を単離し、その抽出液を用いたin vitro翻訳系の構築を進め、タンパク質合成活性のある抽出液の調製に成功した。続いて、この抽出液を用いることにより、ppGppが葉緑体の翻訳系の阻害効果を有することを生化学的に証明した。翻訳装置は70Sリボソームのみならず数十のタンパク質およびRNA分子が機能することにより稼働するため、具体的な標的候補分子の探索は困難である。従って、葉緑体の翻訳装置において、まずペプチド伸長反応に焦点を絞ってppGppの機能解析を進めた。その結果、ppGppが伸長反応を阻害することが確認され、さらにこの効果がGDPの存在に影響されないことを明らかにすることができた。成果は学会発表にて公表し、現在、論文投稿準備中である。平行して、RSH1欠損イネの葉緑体遺伝子の転写解析系の構築を進めるとともに、全長でのタンパク質合成が困難なRSH1のドメイン単位でのタンパク質合成を進め、まだ見出されていないppGpp加水分解酵素の機能の探索を進めている。
|