2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570049
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
横田 悦雄 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助教 (80212299)
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Keywords | 小胞体 / レティキュロン / RHD3 / GTP / リン酸化 / シロイヌナズナ / キナーゼ / ダイナソー |
Research Abstract |
植物小胞体チューブ形成には、RHD3GTPaseが関与している。まずシロイヌナズナ培養細胞から単離した小胞体を用いたin vitroチューブ形成系により、RHD3の会合体形成を検討した。チューブ伸長条件下(GTP存在下)と伸長を誘発しない条件下(GTP非存在下)で化学架橋剤EGSで処理し、抗RHD3抗体によるイムノブロットによってRHD3の分子量変化を調べたところ、チューブ伸長が起る条件下では大きな複合体が形成されることが明らかになった。RHD3はGTPが存在すると2量体を形成することが推測されていたが、架橋成分の分子量はRHD3ホモ会合体の分子量とは一致しない。このことから他の成分とヘテロな会合体を形成している可能性が示唆され、現在会合体に含まれる成分をMS解析などによって同定を試みている。 次にin vitroチューブ形成系を用いてキナーゼやフォスファターゼのチューブ形成に及ぼす効果を検討した。その結果、セリン/スレオニンキナーゼであるA-キナーゼやカゼインキナーゼによりチューブ形成が促進された。それと同時に、RHD3やレティキュロンなどのチューブ形成に関与する成分がリン酸化されていた。しかし、フォスファターゼ1、カルシニウリン、ラムダフォスファターゼなどのフォスファターゼによる影響は、現時点では確認できなかった。このような結果から、過剰のリン酸化によってチューブ形成が促進される可能性が考えられた。 おもしろいことに、RHD3が属しているダイナミンGTPaseの阻害剤であるダイナソーによって、チューブ形成、それに伴うGTP加水分解が阻害された。またこの阻害剤によって、培養細胞内の表層小胞体ネットワークが、大きな袋状に変化することを見出した。これらの結果は、ダイナソーがRHD3の活性も阻害すること。そして細胞内におけるRHD3の機能を解析するツールとして、この阻害剤を用いることが可能であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)