2010 Fiscal Year Annual Research Report
TPRモチーフを含む新規な遺伝子ファミリーOsCEOの機能解明
Project/Area Number |
21570050
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
島田 浩章 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70281748)
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Keywords | イネ / 転写制御因子 / 貯蔵物質生合成 / 種子形成 / タンパク質相互作用 |
Research Abstract |
イネの貯蔵デンプンや貯蔵タンパク質は種子の登熟期に短期間で生合成され蓄積される。イネのflo2変異体は乳白で小粒の胚乳を生じる。この変異体では、登熟期に強く発現する貯蔵デンプン、貯蔵タンパク質生合成に関わる遺伝子の発現量が顕著に低下するため、この変異の原因遺伝子は貯蔵物質生合成に関わる制御因子であることが示唆された。flo2変異の原因遺伝子をマップベース・クローニングを試みた。その結果、第4染色体の1つの遺伝子に終止コドンが生じる変異が起こっていることがわかった。野生型イネよりこの遺伝子を単離し、flo2変異体に導入したところ、得られた形質転換体は野生型の表現型を示したことから、この遺伝子がflo2変異の原因遺伝子であることが同定された。そこでこの遺伝子をFLO2(FLOURY ENDOSPERM2)と命名した。FLO2遺伝子は緑葉および未熟種子で強く発現をしていた。また、この遺伝子の発現量は登熟の進行とともに増加した。この遺伝子(FLO2)はTPRドメインを有する新規なタンパク質をコードしていた。また、FLO2と相互作用する因子として、bHLHタンパク質とLEAタンパク質が検出された。このことからFLO2はこれらの因子と協調的に種子貯蔵物質生合成系遺伝子群の発現を制御しており、種子の大きさや品質に関わる重要な因子であることが示唆された。一方、このホモログであるFLL1およびFLL2は緑葉での特異的な発現が認められており、これらは緑葉での転写制御に関与していると考えられた。なお、OsCEOの名称はPlant Cellに投稿した論文の査読の過程でFLO2およびFLLこ改めることが適当であるとの指摘があり、これに従うことにした。
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Research Products
(4 results)