2010 Fiscal Year Annual Research Report
センス鎖遺伝子と共発現するストレス応答性の非翻訳型アンチセンスRNAの解析
Project/Area Number |
21570056
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
関 原明 独立行政法人理化学研究所, 植物ゲノム発現研究チーム, チームリーダー (80281624)
|
Keywords | 環境ストレス応答 / アンチセンスRNA / RNA制御 / 非翻訳型RNA / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
これまでの解析から、幾つかのストレス誘導性遺伝子領域でアンチセンスRNAはセンスRNAを鋳型としてRNA-dependen RNA polymerase (RDR)により生成する可能性が示唆されている(Matsui et al. 2008)。そこで、ROR遺伝子の多重変異体の内利用可能なもの(rdr1/2, rdr1/6, rdr2/6, rdr1/2/6)を用いて乾燥ストレス処理(2時間)後のRD29A遺伝子のアンチセンスRNAの蓄積を調べた。上記二重変異体(rdr1/2, rdr1/6, rdr2/6)ではアンチセンスRNAの蓄積に差は見られなかったが、rdr1/2/6の三重変異体では野生株と比べてアンチセンスRNAの蓄積が半分程度に減少していた。さらに、rdr1/2/6の三重変異体の無処理および乾燥処理(2時間)条件での発現プロファイルをタイリングアレイを用いて解析したところ、ストレス応答関連の遺伝子約30個においてアンチセンスRNAの蓄積が減少している事がわかった。 RNA代謝に関与する遺伝子1の破壊系統で、幾つかのストレス誘導性のアンチセンスRNAの発現が減少する事を見出している。そこで、遺伝子1に関してHAタグ付きのトランスジェニック植物を作成し、遺伝子1がタンパク質として機能する事の確認を進めている。さらに、RNAの分解など転写(後)制御に関与する他の因子に関しても、遺伝子破壊株を用いてストレス誘導性のアンチセンスRNAの蓄積を解析し、幾つかの変異体でアンチセンスRNAの蓄積が変動していることを示唆する予備的データを得た。それらの再現性確認およびストレス耐性試験を現在進めている。
|