2009 Fiscal Year Annual Research Report
トランスクリプトミクスに基づいたイネ・フラボンC-配糖体生合成経路の解明
Project/Area Number |
21570057
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
榊原 圭子 独立行政法人理化学研究所, 代謝機能研究チーム, 研究員 (20360555)
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Keywords | 植物 / 酵素 / フラボノイド / トランスクリプトミクス |
Research Abstract |
フラボンC-配糖体生合成経路の新規関連遺伝子の探索のため、既知のイネ・フラボノイド代謝系遺伝子群(CHS, CHI, F3H, F3'H, DFR, LDOX)を用いて、遺伝子共発現解析を行った。その結果、イネの既知のフラボノイド代謝系遺伝子群は、1) ナリンゲニンに至るまでのCHSおよびCHI、2) アントシアニン合成に関わるDFRおよびLDOX、3) その他の少なくとも3つの遺伝子発現相関ネットワークに分類できることが示唆された。フラボンC-配糖体の生合成に関わる酵素は、その代謝経路から、この3つの中では、CHS, CHIと、同じネットワークを形成する確率が最も高いと予想された。実際に、2009年7月に本研究のターゲットのうちの一つであるイネのC6グルコース転移酵素遺伝子が他のグループによって単離された(JBC, 284, 17926-17934, 2009)が、このC6配糖化酵素はCHS, CHIと発現の相関が見られている。フラボンC-配糖体生合成系の候補遺伝子として、それぞれ2種類のP450遺伝子および配糖化酵素遺伝子が得られた。 イネの各器官(1週齢の葉および根、2週齢の第3葉葉身、葉鞘、第4葉全体)を用いて、HPLCによるフラボノイド分析を行い、29種類のフラボン関連ピークが検出できた。 遺伝子共発現解析の結果、解析のターゲットとした遺伝子には、該当するイネ変異体が存在しなかった。ノンターゲットなスクリーニングとして、イネFOXラインラインのスクリーニングを行ったところ、配糖化フラボンと思われる化合物を蓄積しているラインが5ライン得られた。
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