2010 Fiscal Year Annual Research Report
トランスクリプトミクスに基づいたイネ・フラボンC-配糖体生合成経路の解明
Project/Area Number |
21570057
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
榊原 圭子 独立行政法人理化学研究所, メタボローム機能研究グループ, 研究員 (20360555)
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Keywords | 植物 / 酵素 / フラボノイド / トランスクリプトミクス |
Research Abstract |
遺伝子共発現解析により、フラボンC配糖体生合成に関与すると予想される候補配糖化酵素(UGT)遺伝子2種の解析を進めた。遺伝子の機能推定のために、陸上植物6種類(Physcomitrella patens, Selaginella moellendorffii, Populus trichocarpa, Oryza sativa, Arabidopsis thaliana, A.lyrata)のゲノム配列よりUGT保存配列を持つ遺伝子を選抜し、系統樹解析を行った。候補遺伝子のうち、1種類は既知のC6グルコース転移酵素と同じオルソロググループに属し、C配糖化酵素である可能性が高かった。UGT遺伝子2種類とも組み換えタンパク質を発現させ、可溶性タンパク質として回収し、2-ヒドロキシナリンゲニンを基質として、酵素活性を測定しているところである。また、過剰発現コンストラクトを構築し、シロイヌナズナのフラボノール欠損変異体に形質転換した。 イネ各器官におけるフラボノイド分析の結果、得られた29種類のフラボン関連ピークのうち、11種類は既知のフラボン由来ピークと推定できた。また、イネには未同定のC-配糖化酵素およびO-配糖化酵素が、それぞれ少なくとも3種類ずつ存在することが示唆された。イネFOXラインのフラボノイド分析は終了し、採種的に9ライン、遺伝子3種類が候補としてあがった。 また、候補P450遺伝子のうちの1種については、2010年9月に中国のグループによりフラボンC配糖体生合成に関与するフラバノン2-水酸化酵素をコードすることが報告され(Plant physiology, 154, 324-333, 2010)、本研究で行った遺伝子共発現解析が十分信頼できる事が示された。
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Research Products
(2 results)