2009 Fiscal Year Annual Research Report
DMRT1突然変異メダカを用いた生殖腺の性的可塑性の解析
Project/Area Number |
21570059
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
松田 勝 Utsunomiya University, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (20414013)
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Keywords | メダカ / 生殖腺性分化 / 性決定 / DMRT1遺伝子 |
Research Abstract |
多くの脊椎動物では、授精の瞬間に決定された遺伝的な性に従って、メスでは未分化生殖腺が卵巣に、オスでは精巣に分化することで、個体の性は決定される。しかし、現在までのところ分かっている性決定遺伝子は、哺乳類のSRY/SryとメダカのDMYのみであり、未分化生殖腺から精巣や卵巣が形成される機構を明らかにする目的にメダカは最適な実験動物の一つである。魚類の性決定遺伝子は様々であることがわかってきたが、その一方、他の生命現象と同様に性分化に関わる遺伝子の脊椎動物における共通性が明らかとなってきている。本研究では、精巣特異的な発現パターンから精巣形成に重要な役割を持っていると予測されるDMRT1遺伝子の突然変異体の表現型を解析した。誘発突然変異体ライブラリーより得たDMRT1突然変異体は4種あるが、そのうち表現型の明らかな2種(b対立遺伝子座とc対立遺伝子座)について解析を進めている。c対立遺伝子座に関しては、表現型出現頻度が安定しないため本年度は、近郊系への戻し交配を進めた、b対立遺伝子座に関しては、Y染色体の由来する系統によって、初期発生時の表現型が異なっていたので、さらに個体数を増やして解析したい。突然変異体の表現型を正常なDMRT1ゲノムの導入によってレスキューするために、DMRT1ゲノムを含むBAC(細菌人工染色体)ベクターを単離し、顕微注入法によりDNAを導入した。現在、F0世代を飼育中でF1が得られ始めたので、このF1世代に外来DMRT1遺伝子を遺伝する個体の存在することを期待している。
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