2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規に同定したヒトデ生殖巣刺激ホルモンによる卵成熟誘起機構の研究
Project/Area Number |
21570063
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
三田 雅敏 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 教授 (50190674)
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Keywords | 生殖腺刺激ホルモン / リラキシン / シグナル情報伝達機構 / 卵成熟 / ヒトデ |
Research Abstract |
無脊椎動物のゴナドトロピン(生殖腺刺激ホルモン)としてイトマキヒトデの生殖巣刺激物質(gonad-stimulating substance, GSS)が世界で初めて同定されたことから、本研究では、ヒトデをモデルに卵の最終成熟制御機構を解明することを目的とし、具体的に3年間に渡りGSSの合成・分泌・作用機構ついて研究をおこなう。 研究初年度の成果として、イトマキヒトデの卵巣、精巣、噴門胃、幽門盲嚢、放射神経、周口神経、管足を単離し、GSSの含有量を測定したところ、GSSは主に放射神経と周口神経に分布していることが確認された。また少量の活性は管足や噴門胃でも確認できた。さらに、放射神経について、GSSの特異的プローブを用いてin situ hybridizationを行ったところGSS mRNAのシグナルは放射神経に全体に分布しているのではなく、管足側の周辺部に多く発現していることが明らかになった。 一方、GSSの作用機構として、[^<125>I]でラベル化した[^<125>I]-GSSを作成し、イトマキヒトデの各組織との結合実験をおこなったところ、卵濾胞細胞、特に膜両分に強い結合が見られた。このことから、GSSの標的細胞は卵濾胞細胞であり、受容体は細胞膜上にあることが確認された。また、G-protein抗体を用いたWestern-blotの結果から、濾胞細胞膜には促進系(GS)と抑制系(Gi)の2種類のG-proteinが存在することが確認され、実際、アデニル酸シクラーゼはGSSにより活性化され、この時にGTPを必要としていた。このことから、GSSの作用は受容体/G-protein/アデニル酸シクラーゼを活性することであることが示唆される。 以上、GSSは主に放射神経の管足側の周辺部の細胞で合成され、血洞系を介して、卵巣まで到達し、卵濾胞細胞に作用していることが明らかにされた。
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Research Products
(8 results)