2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570066
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯田 弘 九州大学, 農学研究院, 教授 (70150399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 たかね 九州大学, 農学研究院, 助教 (20363327)
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Keywords | 精子 / テクチン / 鞭毛 / 形態形成 / 精子形成 |
Research Abstract |
精子鞭毛の基本構造は微小管からなる軸糸である。哺乳類、鳥類および爬虫類の精子では、鞭毛軸糸を取り囲むように軸糸周辺構造体、即ち、外側緻密線維(ODFs)、衛星線維、線維鞘、および多数のミトコンドリアが存在する。本研究の目的は、(1)精子鞭毛の構成成分であるTektin分子群の局在を電子顕微鏡を用いてナノスケールレベルで明らかにする(2)Tektin分子と相互作用する分子をクローニングし、その局在を明らかにすることである。これまでの我々の研究から、Tektin2,Tektin3,Tektin4,Tektin5について、Tektin2は外側緻密線維周辺部に,Tektin3は中片ミトコンドリア表層と外側緻密線維周辺部に、Tektin4は外側緻密線維の皮質部に、Tektin5は中片ミトコンドリア内側部に濃縮して存在することが明らかとなった。また、Tektin分子と相互作用する分子をクローニングする研究を推進し、これまでに以下の研究結果を得た。酵母Two-Hybrid法によって、Tektin2と相互作用する新規分子Tek2-BP1をクローニングした。さらに、Tektin5と相互作用する分子としてTektin4およびOdf1をクローニングした。ついで酵母Two-Hybrid法および培養細胞へのトランスフェクション法によって、異なるTektin分子間の相互作用を解析した。その結果、Tektin2-Tektin4,Tektin2-Tektin3,Tektin4-Tektin5の分子間において間相互作用が検出され、これらTektin分子がヘテロ的に重合して鞭毛の繊維成分を構築している可能性が考えられた。 平成23年度はTektin2と相互作用する新規分子Tek2-BP1に焦点をあて解析をおこなった。酵母Two-Hybrid法、培養細胞へのトランスフェクション法によって、Tek2-BPIはTektin2と実際に結合することが示唆された。また、特異的抗体を作成し、その発現、局在を解析したところ、Tek2-BP1は精巣特異的に発現する分子で,成熟精子の鞭毛中片のミトコンドリアに局在する分子であることが判明した。
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Research Products
(7 results)