2010 Fiscal Year Annual Research Report
両生類をモデルとした脳下垂体機能調節機構研究の新展開
Project/Area Number |
21570071
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊山 榮 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 名誉教授 (20063638)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 令子 静岡大学, 創造科学技術大学院, 助教 (50386554)
蓮沼 至 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教 (40434261)
|
Keywords | 両生類 / 下垂体前葉 / プロラクチン / TRH受容体 / ドーパミン受容体 / 副腎皮質刺激ホルモン / アルギニンヴァソトシン / コルチコトロピン放出因子 |
Research Abstract |
プロラクチン(PRL,)放出とTRH受容体:ウシガエル幼生の変態期におけるTRH3型受容体mRNA発現レヴェルと血液中PRL濃度との相関から、TRHによるPRLの分泌亢進作用はTRH3型受容体を介するものと推定された。そこで下垂体前葉で発現している主たるTRH受容体を特定したところ、3型受容体であることが判明した。さらに3型受容体mRNAはPRL細胞に発現していることを幼生及び成体でともに確認した。PRL放出抑制とドーパミン(DA)受容体:一方PRL分泌を抑制するDAはD2受容体を介することを、D2受容体アンタゴニスト、アゴニストを培養下垂体に作用させPRL分泌量をモニターすることにより薬理学的に確認した。ついでD2受容体のクローニングを試み、444アミノ酸残基(bfD2A)から成るD2受容体の同定に成功した。次いで、G-タンパク質との共役に関わる第3細胞内領域にそれぞれ4及び33アミノ酸残基を欠いたbfD2B及びbfD2Cアイソフォームの同定にも成功した。さらに、脳および脳下垂体ではこれらアイソフォーム3種のmRNA全てが発現していること、末梢組織では主にbfD2Cが発現していることが確認された。目下PRL細胞に発現しているアイソフォームの同定を試みている。ACTH放出促進因子:現在両生類では、コルチコトロピン放出因子(CRF)とアルギニシヴァソトシン(AVT)がACTH放出ホルモンの候補として浮上している。いずれがその可能性が高いかを知るため、先ずACTHのRIA系を確立した。それを用いて両者のACTH放出活性をウシガエル下垂体培養系で比較した。現在AVTがより強い活性を示す結果が得られつつある。
|