2009 Fiscal Year Annual Research Report
体色変化の光制御メカニズム解明に向けた光受容ニューロンの発生工学的解析
Project/Area Number |
21570073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 大輔 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 講師 (60376530)
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Keywords | 体色変化 / ゼブラフィッシュ / 光 / トランスジェニック / 網膜 / オプシン / 視細胞 / 色素胞 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、下記の成果を得た。 ゼブラフィッシュ幼生における体色変化測定系の構築:ゼブラフィッシュ幼生は麻酔下では体色変化を示さないため、生きたまま無麻酔で幼生を固定する至適条件を検討した。次に、実体顕微鏡と冷却CCDカメラを組み合わせた測定システムを構築し、固定した幼生の体表における黒色色素(メラノソーム)の形態をタイムラプスイメージとして記録することに成功した。さらに、幼生の体色変化における波長選択性を解析するため、刺激光の波長を制御できる光照射システムを設計・構築した。 視細胞の選択的破壊実験:ゼブラフィッシュ由来のロドプシン遺伝子プロモータおよび錐体G蛋白質αサブユニットGt2α遺伝子プロモータを用いて、桿体もしくは錐体視細胞にそれぞれ特異的にNitroreductase(NTR)遺伝子を発現する組換えゼブラフィッシュ系統を樹立した。次に、これらの組換え個体に対してプロドラッグ(Mtz)を種々の条件で投与し、特異的かつ効率良く、桿体もしくは錐体の細胞変性を誘導する至適条件を検討した。この条件の下でMtzを投与した個体の視覚行動(OKR)を測定し、視細胞が機能的にも欠損していることを確認した。これらの桿体もしくは錐体を欠損した個体において光依存的な体色変化を定量的に測定したところ、Mtz未投与個体との間に有意な差は見られなかった。この結果より、桿体と錐体の各々は体色変化に必要でないことが示された。 網膜に発現する非視覚型オプシンの検索:ゼブラフィッシュのゲノムデータベースにおいて非視覚型オプシン遺伝子群を検索した。これらの非視覚型オプシン遺伝子の組織特異性をRT-PCR法により調べた結果、一部のオプシン遺伝子がゼブラフィッシュ幼生の眼球に発現することを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
小島大輔
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Journal Title
動物の多様な生き方 第1巻「見える光、見えない光:動物と光のかかわり」(分担執筆)(共立出版)
Pages: 209-221
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