2010 Fiscal Year Annual Research Report
体色変化の光制御メカニズム解明に向けた光受容ニューロンの発生工学的解析
Project/Area Number |
21570073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 大輔 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (60376530)
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Keywords | 体色変化 / ゼブラフィッシュ / 光 / トランスジェニック / 網膜 / オプシン / 視細胞 / 色素胞 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、下記の成果を得た。 ゼブラフィッシュの光依存的な体色変化には眼球の光受容体が必要である。体色変化における視細胞の役割を明らかにするため、ゼブラフィッシュ視細胞の選択的破壊実験を行った。具体的には、桿体特異的プロモータ(ロドプシン遺伝子上流)と錐体特異的プロモータ(Gt2α遺伝子上流)の制御下で、桿体と錐体の両者にNTR遺伝子を発現する組換えゼブラフィッシュ系統を樹立した。この組換え個体にNTR蛋白質の基質であるプロドラッグ(Mtz)を投与したところ、桿体と錐体の両者に細胞変性が誘導された。Mtzを投与した組換え個体において視細胞が欠損していることは、個体レベルでの視覚機能解析によっても確認された。そこで、この視細胞欠損個体に白色光を照射して体色を経時測定したところ、正常個体と同様な体色変化パターンが観察された。この結果より、ゼブラフィッシュの体色変化には視細胞は必要でないことが明らかになり、さらに、視細胞以外の網膜ニューロンが何らかの役割を果たしていることが示唆された。 これまでに視細胞以外の網膜ニューロンに発現することが判明した非視覚型オプシン遺伝子のうち、VAL-opsinB遺伝子(valopb)に注目して、プロモータ解析を進めた。valopbの全領域を含むBACクローンを鋳型にして、大腸菌を用いた相同組換えを行い、valopbのexon1領域をGFP遺伝子に置換した。このBACコンストラクトをゼブラフィッシュ受精卵に微量注入し、この受精卵より発生した個体の中から、組換え系統を樹立することに成功した。
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