2011 Fiscal Year Annual Research Report
体色変化の光制御メカニズム解明に向けた光受容ニューロンの発生工学的解析
Project/Area Number |
21570073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 大輔 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (60376530)
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Keywords | 体色変化 / ゼブラフィッシュ / 光 / トランスジェニック / 網膜 / オプシン / 視細胞 / 色素胞 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、下記の成果を得た。 これまでの研究により、ゼブラフィッシュ幼生の体色変化には視細胞は必要にないことを明らかにし、このことから、視細胞以外の網膜ニューロンに発現する非視覚型オプシンに注目して研究を進めている。本年度は、体色変化に関与する光受容分子を推定するため、刺激光の波長依存性や強度依存性を測定するシステムを構築した。具体的には、(1)体色変化を引き起こす「刺激光」として任意の波長の可視光を幼生に照射し、(2)これとは別に赤外光を「測定光」として幼生に照射して体表のメラニン色素の凝集・拡散を測定した。このシステムを用いて野生型ゼブラフィッシュ幼生の体色変化を測定したところ、刺激光強度に依存して体色変化の度合いが変化することを確認した。また、刺激光の波長を変えて測定したところ、長波長の光に対する応答性がより小さいことを見出した。この測定システムを、前年度までに樹立した視細胞欠損ゼブラフィッシュに適用することにより、体色変化を制御する光受容分子の同定に近づくことができると期待される。 一方、これまでにゼブラフィッシュ眼球に発現する非視覚型オプシンの一つとしてOPN5が同定されており、ゼブラフィッシュの体色変化を制御する光受容分子の候補となっている。私共はマウスOpn5の組換えタンパク質を調製・精製することに成功し、Opn5がUV感受性であることを明らかにした。この結果より、ゼブラフィッシュの体色変化にもUV感受性が存在する可能性が浮かび上がった。
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Research Products
(5 results)