2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570081
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
小泉 修 Fukuoka Women's University, 人間環境学部, 教授 (50094777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美濃部 純子 福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (80190718)
車田 麻美 福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (20458110)
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Keywords | 散在神経系 / ヒドラ / 神経環 / 神経解剖学 / 行動生理学 / 神経回路網形成 / ペプチド / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
ヒドラの散在神経系について、その構造(神経解部学)・機能(神経生理学、行動生理学)・形成(発生神経生物学)の全ての側面について、また、これらを分子レベルから個体レベルまで、総合的に追究した。その結果、下記に記すようにこの神経系の興味深い側面が明らかになった。 私達が中枢神経系の原型ではないかと仮説しているヒドラの頭部に見られる神経環の機能がひとつ判明した。それは、全ての触手を同調して動かす行動であった。クラゲなどでも神経環は、電気的に結合した巨大軸索的な機能と、化学シナプスによる情報統合の機能の2つが考えられていて、今回の場合は、前者にあたるものであった。さらに、この神経環の電子顕微鏡レベルの観察に成功した。それは、約30本の有芯小胞を沢山含む神経線維の束であった。この神経環内の神経結合については、化学シナプスの存在が考えられた。 散在神経系において、神経環が観察されたのは、我々のヒドラ(ポリプ型)の神経環と、ヒドロ虫類のヒドロクラゲ(メヂュウサ、水母型)の2種の神経環(内側神経環、外側神経環)のみである。そのためこの神経環の存在を全ての刺胞動物門(ヒドラ、クラゲ、イソギンチャク、サンゴ)に広げて、神経環の一般性を検討した結果、多くの刺胞動物門のポリプにおいて、神経環の存在が明らかになった。特に、刺胞動物の基本型と思われる花虫類、セイタカイソギンチャクとハナヤサイサンゴで、口の周りに神経環が見つかったことは、この神経構造の進化を考える上で特に重要と思われる。 更にこの神経環の他の集中神経系の神経環との関連を分子系統学的に明らかにするために、ヒドラにおいて神経環特異的な発現遺伝子の同定に取り掛かった。現在のところ、600以上の頭部特異的な遺伝子の同定に成功している。
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Research Products
(12 results)