2009 Fiscal Year Annual Research Report
光活性化興奮能の移植による単一ニューロンの行動レベルでの機能探究
Project/Area Number |
21570082
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
長濱 辰文 Toho University, 薬学部, 教授 (70145001)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 神経行動学 / チャンネルロドプシン2 / 光活性化興奮能 / 機能移植 |
Research Abstract |
連携研究者の高橋グループがチャンネルロドプシン2(ChR2)遺伝子のアメフラシニューロン発現ベクターpNEXへの組込みを行い、長濱グループがアメフラシ神経節内のニューロン細胞体にpNEX-DNA(マーキング用色素含有)を微小電極から圧注入で導入した。イオン組成を海水に近付けたL15培養液(SL15)中で神経節を暗条件下で培養し、マーキングしたニューロンに赤色条件下、電極を再度刺入し、青色光刺激を適時与え、刺激に応じて脱分極応答が発現するかどうかを調べた。 1)遺伝子導入・培養の条件:pNEX-DNAの導入量と培養条件の検討を行った。導入DNA濃度は他の遺伝子導入時と同様、1μg/1μl程度で良かったが、培養日数が2日以内では外液へのレチナール添加が必要であった。一方、3日以上培養ではレチナール添加は不要であることもわかった。そこで今後は3日間培養とした。 2)光刺激の条件:最適な興奮性が得られる刺激光の強度、波長特性を調べたところ青色光では非常に明るい光(キセノン100ワット光源)でのみ応答が見られ、培養後の赤色安全光での操作は不要であることが明らかとなった。また、熱フィルターを介した白色光の方が青色光よりも明らかに大きな応答が得られた。 3)外液条件:アメフラシニューロンの電気生理学実験は、通常、体液組成に近い人工海水中で行うが、これまでChR2が良く使われている哺乳動物に比べてイオン強度が極めて高い。そこでこのような条件におけるChR2の各種イオンに対する透過性を膜電位固定法を用いて調べた。この結果、ChR2の陽イオンチャンネルを透過するイオン種はナトリウムが主で、カルシウムはほとんど透過しないことがわかった。この結果、ニューロン回路網の研究を目的としたカルシウム濃度を様々に変えた外液を用いてもChR2がほとんど影響を受けないことが明らかになった。
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Research Products
(8 results)