2010 Fiscal Year Annual Research Report
光活性化興奮能の移植による単一ニューロンの行動レベルでの機能探究
Project/Area Number |
21570082
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
長濱 辰文 東邦大学, 薬学部, 教授 (70145001)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 神経行動額 / チャンネルロドプシン2 / 光活性化興奮能 / 機能移植 |
Research Abstract |
H22年度は、すでに同定されているMAニューロン細胞体にpNEX-DNA(マーキング用色素含有)を微小電極から圧注入した。このニューロンは口球神経節内の様々なニューロンにシナプス結合をしており、光刺激によりシナプス後ニューロンでMA由来のシナプス応答が期待できる。塩組成を海水に近付けたL15培養液中で神経節を暗条件下3日間培養し、口球神経節内の様々なニューロンに電極を刺入し、光刺激によりこれらニューロンでMA由来のシナプス応答が発現するかどうかを調べた。 1) 口球神経節全体の光刺激により、口球神経節内の様々なニューロンに興奮性や抑制性のMA由来と考えられるシナプス応答が発現した。青色光と熱フィルターを通した白色光で比べると、白色光の方でより大きな応答が得られた。 2) 抑制性応答が見られるニューロンでも、MA細胞体が壊れると興奮性応答に変化することが多かった。ChR2はMAの細胞全体に発現していると考えられる。そこでこのような変化の原因として、細胞体が欠落した場合は軸索末端部のみが刺激されて脱分極し、電気的カプリングのみが観察されている可能性がある。そこで、次年度は光照射にビーム径の小さなレーザー光を用い、細胞体と軸索に分けて局所刺激を行い、応答の差を比べる予定である。 3) 神経節全体に数十秒間の長い光刺激を行うと、その間、MAおよび他のニューロンにリズミカルな活動が誘発されることがわかった。このような応答は、MAに刺入した微小電極から通電して長時間発火活動をさせても普段はおこらない。そこでこの応答が、ChR2の細胞全体にわたる脱分極効果によっている可能性もあり、次年度は2)と同様に刺激部位を変えて更に調べてみたい。また、このリズミカルな応答と摂食応答とを比較し、この応答の生理的意味も追求する予定である。
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Research Products
(5 results)