2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハラホソバチ類における社会性進化の系統学的・生物地理学的研究
Project/Area Number |
21570088
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小島 純一 Ibaraki University, 理学部, 教授 (00192576)
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Keywords | ハラホソバチ亜科 / 系統関係解析 / 比較形態 / 社会性進化 / スズメバチ科 / 分子データ |
Research Abstract |
本研究が目的とするハラホソバチ亜科(Stenogastrinae)7属の分布パターンの成立過程の解明ならびに本亜科にみられる多様な社会性にかかわる特徴の「進化上の極性」(原始的か、派生的か)を生息環境への適応も含めて考察する基礎となる系統関係解析に用いる形質-タクサマトリックスの整備を進めた。具体的には、外群としてドロバチ亜科8種、アシナガバチ亜科20種、スズメバチ亜科12種、また内群としてハラホソバチ亜科のAnischnogaster2種、Cochlischnogaster1種、Eustenogaster12種、Liostenogaster7種、Metischnogaster1種、Parischnogaster5種とStenogaster2種について、走査型電子顕微鏡による詳細な観察も含めて成虫形態のデータを整備し、マトリックスに入力し、暫定的系統関係解析を行った。さらに、分子データは、これまでに蓄積してきたデータに加え、DDBJ等のデータベースからの抽出と既存サンプルについてシークエンスを行い、上記の外群についてはすべての種、ハラホソバチ亜科についてはMetischnogasterとStenogasterを除く5属それぞれで少なくとも1種、合計22種のデータを整えた。分子データを用いた暫定的系統関係解析も行い、形態データを用いた解析同様に、ハラホソバチ亜科の中でLiostenogasterが基部に位置し、Eustenogasterは末端に位置するとの結果が得られた。Liostenogaster、CochlischnogasterとParischnogasterが真社会性の生活を営むことを考慮すると、この系統解析結果は、Eustenogasterで見られる一時的なワーカーすら欠き、コロニー創設雌のみで子の養育をする亜社会性が二次的に進化したことを示唆する。
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Research Products
(2 results)