2009 Fiscal Year Annual Research Report
クロララクニオン藻で初めての細胞分裂様式の解明およびその多様性と進化に関する研究
Project/Area Number |
21570090
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石田 健一郎 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (30282198)
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Keywords | 植物 / 進化 / 二次共生 / クロララクニオン藻 / 藻類 / 核分裂 |
Research Abstract |
本研究は、クロララクニオン藻の主要系統群全てについて、タイムラプスビデオ解析、間接蛍光抗体法、電子顕微鏡などにより、細胞分裂過程の微小管の動態まで含めた詳細な観察を行ない、クロララクニオン藻の分裂様式の特徴を明確にするとともに、群内の細胞分裂様式の多様性を把握し、これまでに明らかとなっている細胞形態と生活様式の進化をベースとして、クロララクニオン藻における細胞分裂様式の進化を明らかにすることを目的としている。当該年度は、特にクロララクニオン藻の一種Partenskyella glossopodiaとLotharella amoebiformisについて、核分裂の過程を形態学的に明らかにした。L.amoebiformisについては、核分裂時に中心小体を欠くこと、紡錘体形成の際に微小管の伸長に合わせて核膜がトンネル状に貫入すること、中期に核膜が断片化することなどが明らかになった。また、P.glossopodiaについては、中期に核膜が断片化することはL.amoebiformisと同じであったが、中心小体が3つになる時期が存在すること、中期に核膜が断片化すること、紡錘体形成と染色体の分配について2通りの様式が存在することを明らかにした。そのうち1つは一般的に知られる両極の中心体から紡錘体微小管が伸長して分裂面に染色体が凝集するタイプの紡錘体形成であったが、もう一つは全く新しいタイプの紡錘体および染色体の分配様式であった。現在、これらの成果に関する論文を執筆中であり、国際学術誌に公表予定である。また、国際学会を含む4つの学会で研究発表を行なった。
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Research Products
(14 results)