2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570093
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮崎 淳一 University of Yamanashi, 教育人間科学部, 准教授 (80229830)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東城 幸治 信州大学, 理学部, 助手 (30377618)
|
Keywords | 絶滅危惧 / 生物多様性 / 系統保存 / ミトコンドリア / 調節領域 |
Research Abstract |
近年生物の絶滅はますます加速していると言われており、現に多くの生物が絶滅に瀕している。自然の豊かさを享受するためにも、また子孫により良い環境を残すためにも、生物多様性の維持と希少生物の保護は極めて重要な課題である。本研究では、絶滅危惧種であるホトケドジョウ類を対象として、"保全"(すなわち希少生物の保護と環境の保全)を実践し、本研究がモデルケースとして、特定の生物種にとどまらず、希少生物全般の保護と環境保全ために役立つことを目指している。 21年度は、まず1東北地方から山陽地方にわたる全分布域において、ホトケドジョウ類の分布と生息状況の調査とサンプルの収集を行い、2ミトコンドリア調節領域の塩基配列の決定による集団間の系統解析を行った。次に3ダム建設が予定されている愛知県設楽町周辺において、建設予定地周辺で建設の影響を受けにくい移植先を選定するために、環境要因と生物学的要因の生態学的調査を行い、また、4遺伝子汚染を回避して移植などを行うためにホトケドジョウ類の遺伝学的解析を行った。 この結果、特に西日本のホトケドジョウ類の集団構造を解明し、進化史を推定することができた。また、ダム建設が予定されている設楽町周辺にて、現時点で移植に最適であると思われる移植先を見出すことができ、遺伝子汚染を引き起こすことなく移植を行いうることを明らかにした。本研究では、開発事業による環境破壊から希少生物を保護するため、事前調査・移植・事後アセスメントから成る対策を予定しているが、移植の段階に進む準備が大きく前進した。21年度の調査の成果は、山梨大学紀要に掲載するとともに、日本魚類学会にて研究発表を行った。
|
Research Products
(3 results)