2011 Fiscal Year Annual Research Report
種分化の初期段階にあると推定されるチダケサシ属の多様性分析と分類学的位置づけ
Project/Area Number |
21570105
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 忍 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (50196515)
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Keywords | 分類学 / 植物 / 種分化 / 多様性 / チダケサシ属 / ユキノシタ科 |
Research Abstract |
1.野生集団からの解析材料のサンプリング 広域に分布するチダケサシ属の種(アカショウマ、トリアシショウマなど)および自生地が限定されている種・変種(テリハアカショウマ、ツクシアカショウマ)、のサンプルを入手した。表現型の解析に用いるために入手した材料を、おし葉標本・液浸標本等とした。また、DNAの抽出のために、シリカゲル乾燥資料を作成した。 これまでに入手した材料の一部を、国立科学博物館筑波実験植物園等にて継続栽培し系統保存を行い、今後の観察にそなえた。また、種子の保管を行った。 2.DNAの抽出と塩基配列 各集団から採取した乾燥葉からDNAを抽出し、塩基配列を明らかにした。解析する領域としてはETS、ITSとmatKを優先した。特に、1個体内にみとめられる複数のDNA塩基配列に注目し、解析を行った。 3.これまでの研究過程において採集した個体にもとづき形態の観察を行い、形態的な変異性を調べ、形態の安定性および多様性について明らかにした。 4.染色体の観察 採集個体にもとづき染色体の観察を行い、細胞遺伝学的な多様性を調べ、倍数性の有無、異数性の有無を明らかにした。 5,これまでに記載された分類群について、国内外の標本館において収蔵標本を検討し、それらの形態の観察を行い、分布を調べた。 6.得られた成果のうち、特に、日本固有種であり、かつ狭分布種であるツクシアカショウマの種としての特徴と分布を明らかにし、学術専門誌に発表した。
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